記憶の宮殿

僕は、記憶の宮殿を自由に旅する。太宰治がソウルフレンド。

2019-02-23から1日間の記事一覧

【日刊 太宰治全小説】#54「火の鳥」⑤(『愛と美について』)

【冒頭】 東京では、昭和六年の元旦に、雪が降った。未明より、ちらちら降りはじめ、昼ごろまでつづいた。ひる少しすぎ、戸山が原の雑木の林の陰に、外套の襟を立て、無帽で、煙草をふかしながら、いらいら歩きまわっている男が在った。 【結句】 ばりばりと…