記憶の宮殿

僕は、記憶の宮殿を、自由に旅する。

2019-04-16から1日間の記事一覧

【日刊 太宰治全小説】#106「ろまん燈籠」その六

【冒頭】 ――美人であった。その顔は、輝くばかりに美しかった。――と長兄は、大いに興奮して書きつづけた。長兄の万年筆は、実に太い。ソーセージくらいの大きさである。その堂々たる万年筆を、しかと右手に握って胸を張り、きゅっと口を引き締め、まことに立…