はろぉ〜、松山駅のバリィさんです。
出張で四国巡礼をしてきたんですが、四国はどこに行っても食べ物が美味しい!
仕事をしに行ったのか、ヨダレを垂らしに行ったのか分かりませんが(冗談です!)、四国のナイトライフを存分に満喫してきた訳であります。
今回も、せんべろでは収まってない訳なんですが、愛媛は松山市内で「こんなお店あるんかい!?」という感動的な出会いがあったので、紹介したいと思います。
松山の繁華街 大街道
夜の松山といえば、大街道!
ホテルも大街道の入り口のホテルだったので、荷物を置いて、スーツから着替えたら、早速夜の松山へ繰り出します。
香川県高松から松山への特急が少し遅れて到着したのもあって、ホテルを出たのは20時半。
お腹と背中はくっつきそうです。
実は今回、すでに行くお店が決まっていました。
というのも、四国出張で松山宿泊が決まった時に、いつもお世話になっているバーのマスターから「ここのお店は間違いないよ」と紹介してもらっていたからです。
お店の名前を聞いてから、出張が楽しみで楽しみでしょうがなかった、という訳です。
さてさて、大街道を闊歩し、ちょこっと脇に逸れたところに、それはあるとのこと。
大街道は賑やかな繁華街ですが、道を一本外れると少し薄暗く、飲み屋が軒を連ねています。
ころころと目移りしながらも、目指す目的地はひとつ。
はやる気持ちを抑えながら、着実にお店に近づいていきます。
落ち着いた雰囲気 『小料理 誠』
さてさて、大街道の入り口から歩いて5分程度。
ここが目的地の『小料理 誠』です。
「あれ?行ったの夜じゃないの?」と思った方。正解ですが、それは言わないお約束。
お店の写真を撮るのを忘れていたので、次の日の朝に撮りに行きました。
お店の引き戸は、店内に風を入れるために少し開いていて、お店の前には猫ちゃんがゴロンとしていました。
気持ち良さそうな猫ちゃんに「ごめんね〜」と言いながら、猫ちゃんを跨いで、カラカラと引き戸を開けます。
お店には、靴を脱いで上がります。
カウンターは10席程度だったでしょうか。
お店は、気さくなおばあちゃんが一人で切り盛りしていました。
人によってはお盆休みの最中という事もあってか、20時半の入店時にはお客さんはいませんでした。
カウンターに空いたお皿が載っていたので、食事ピークが過ぎたところだったのでしょうか。
カウンター席に着くと、「今日は市場がお休みだから、お刺身ないのよ…。ごめんね。でも、それは他のお店行っても一緒だから」と。
ありゃ、残念。
ひとまず、生ビールをお願いして、店内を見渡すと…お品書きが、ない!?
キョロキョロしていると、「お腹空いてる?今日の予算はどれくらい?」と。
一瞬、脳内会議が開かれ、「5,000〜6,000円くらいですかね…」と回答。
すると、「じゃ、それくらいで見繕ってあげるね」との返答が。
ここからサプライズが始まったのですが、この時点では、この先どうなるのか少し不安でした。
想定外の "天然もの"
最初に頂いたのは、自家製の甘味噌がかかったキュウリ。
味噌には小魚が入っていて、田作(カタクチイワシのつくだ煮)のような感じでした。
乾ききった身体中に染み渡るビールと一緒に、ホイホイ箸が進みます。
これ、ご飯にかけても美味しそうだし、舐めながら日本酒もイケそう。
「これ、すぐに出せるから、次はこれね」という事で、次に頂いたのがこちら。
揚げたアマギ(上)とアジ(下)のマリネです。
"アマギ"って、初めて聞いた名前だったんですが、愛媛県ではイボダイの事をそう呼ぶようです。
アジはそのまま頭からパクっと。
アマギは身をほぐしながら、玉ねぎと一緒に頂きます。
お酢でさっぱりしてて、ビールが進む!
満面の笑みがこぼれたタイミングで、「鮎、食べる?」と聞かれました。
鮎は好きなので、「ぜひ、食べたいです!」と即答。
常連さんが釣り好きで、この時期になると、釣れた鮎を売ってくれるんだそう。
「もう少し早く来てたら、刺身でも出してたんだけど…。鮎は鮮度が命だからね」
鮎の刺身なんて、食べた事ない!惜しい事したなぁ…。
目の前のグリルで焼いてくれます。
ぱちぱちという音が、食欲をそそる。
二匹も焼いてくれました。
添えられたすだちを絞って、一匹目はビールと一緒に。
「うーん、美味!」
思わず、「美味しいです!」と叫んでしまいました。
「そうでしょ。天然の鮎だからね。養殖の鮎とは違うよ」
おぉ…!と感動しながらも、「俺、天然の鮎なんて食べちゃって大丈夫なのか?」と一抹の不安が頭をよぎる。
…も、もう一匹も美味しく頂くために、日本酒を冷やでお願いしました。
日本酒を飲みながら頂く鮎も、格別です。
怒涛の愛媛ラッシュ!
次に頂いたのは、地元産のナスをサッと油に通したものに、いっぱいの味噌を乗せ、万能ネギを散らしたもの。
スプーンでナスと味噌とネギを混ぜて食べてね、とのこと。
アツアツのまま、口に放り込む。
ナス、肉厚!
旨味汁が口の中にぶわぁ〜っと、ものすごい勢いで広がる!
またまた、日本酒が進む。
次に登場したのが、愛媛のブランド豚「愛媛甘とろ豚」を使ったトンカツです。
愛媛は中国地方でも養豚が盛んな地域なんだそうで。
そして、生産量日本一を誇る愛媛県産裸麦を食べて育った豚は、柔らかさ・ジューシーさ・脂身の三拍子揃った、料理のプロも絶賛するブランド豚なんだとか。
で…、いざ実食!
はもっと、簡単に噛み切れてしまうお肉!
なんなんだ!?この柔らかさはッ!!
ぽんぽん口に放り込んでいったら、一瞬で六切れを完食してしまいました。
とてつもないもの、登場。
ここまでで、だいぶ胃袋は充たされていました。正直、そろそろお会計でもいいかな…という塩梅。
しかし、ここで、衝撃の一言が聴こえてくる。
「鯛、食べれる?」
What's!?
しかも、目の前にぶら下げられた鯛は、かなりの大きさ。
即答できず、逡巡していると、「これ、郷土料理だから食べてって」と、グリルでの調理が始まってしまった。
そして、出て来たのが、こちら。
で〜んッ!!
なんじゃこりゃあ〜っ!!
瀬戸内海沿岸地域に広く伝わる郷土料理・鯛そうめん。
ちょっと写真が残ってないのですが、錦糸卵や椎茸の煮付け、万能ネギの下にそうめんが盛ってあります。
普通のそうめんだと、すぐに伸びてしまうので、モロヘイヤを練りこんだ麺を使っているのは、お店のこだわり。
鯛の尻尾には、北海道産の白ワサビが盛ってあります。
ん〜、こんな大きな鯛めったに見ないし、一人で食べたことなんて一度もない。
しかし、お腹はかなり充たされている!
でも、作って頂いたら、食べない訳にいかないので、いざ実食!!
めんつゆに好きな具材とそうめんを入れ、ほぐした鯛の身と一緒にパクリ。
ウマイッ!
…というか、マズい訳がない。
愛媛県の県魚はマダイ。
天然、養殖ともに日本一の生産を誇り、まさに"めで鯛"魚なんだとか。
しかし、最近テレビで鯛そうめんが紹介された際に、養殖鯛を使っていたそうで、「鯛は県魚で、漁獲量も日本一なのに、郷土料理を作るのに養殖なんて使っちゃダメだ。私は鯛そうめんを作るときに天然しか使わない!」とお話されていました。
え〜と、鮎に続き、鯛も天然でございますか!?
はてさて、私は無事にお会計できるのでしょうか…?
運命のお会計タイム
遺憾ながら、半分ほどしか食べられず、申し訳なさそうにお会計を申し出ます。
すると、「ありゃ、結構残したのね…」とのコメントの後に、「おみやみたいに包んであげるから、明日の朝ごはんに食べなさい」と、くるくるっと包んでくれました。
そして、ドキドキのお会計なんですが、、、
「最初に言ってた予算通りのお代でいいよ」
「え、でも、私それ以上に食べましたよね?」
「いいから、予算以上には出さなくていいからね」
というやりとりが。
6,000円を渡すと、1,000円返されちゃいました。
お腹も、心も、お財布も満足してしまいました。
思わず、「絶対また来ます!」という言葉が口から出ていました。
そのあと…。
おみやをぶら下げてホテルに戻り、シャワーを浴びようとTシャツを脱ぐと…
でぇ〜ん!!
ジーンズのベルトにお腹が乗っかっちゃってます。
普段は細身で、履けるパンツを探すのにも苦労するほどなのですが、ボタンもはち切れんばかりに、お腹が膨張しちゃってました。
そして、翌朝。
おみやの包みをほどき…。
ラップを外して…。
こんなに豪勢な朝ごはん、おそらく、これまでの人生で初めてだと思われます。
というか、後にも先にも、もうなさそう。
割り箸と、おしぼり、湯呑みにめんつゆまで入れて付けてくれた心遣いに、朝から感動。
次の出張で愛媛を訪れた際には、湯呑み茶碗を持参して、「先日はごちそうさまでした!」と言いながら再訪したいと心に決めました。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
【お店情報】
誠
営業時間:11:30〜14:00、17:00〜23:00
※日曜日は定休日。
Tel:089-943-2419
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎