記憶の宮殿

僕は、記憶の宮殿を自由に旅する。太宰治がソウルフレンド。

2019-01-12から1日間の記事一覧

【日刊 太宰治全小説】#12「逆行」蝶蝶(『晩年』)

【冒頭】老人ではなかった。二十五歳を越しただけであった。けれどもやはり老人であった。 【結句】老人の、ひとのよい無学ではあるが利巧(りこう)な、若く美しい妻は、居並ぶ近親たちの手前、嫉妬(しっと)ではなく頬(ほお)をあからめ、それから匙(さじ)を握…