記憶の宮殿

僕は、記憶の宮殿を自由に旅する。太宰治がソウルフレンド。

2019-04-02から1日間の記事一覧

【日刊 太宰治全小説】#92「乞食学生」第三回

【冒頭】 茶店の老婆が、親子どんぶりを一つ、盆に捧げて持って来た。 「食べたら、どうかね。」 少年は、急に顔を真赤にして、「君は?食べないの?」と人が変ったようなおどおどした口調で言って、私の顔を覗き込む。 「僕は、要らない。」私は、出来るだ…