記憶の宮殿

僕は、記憶の宮殿を自由に旅する。太宰治がソウルフレンド。

2019-04-13から1日間の記事一覧

【日刊 太宰治全小説】#103「ろまん燈籠」その三

【冒頭】 きょうは二日である。一家そろって、お雑煮を食べてそれから長女ひとりは、すぐに自分の書斎へしりぞいた。純白の毛糸のセエタアの、胸には、黄色い小さな薔薇の造花をつけている。机の前に少し膝を崩して坐り、それから眼鏡をはずして、にやにや笑…