記憶の宮殿

僕は、記憶の宮殿を自由に旅する。太宰治がソウルフレンド。

2019-04-15から1日間の記事一覧

【日刊 太宰治全小説】#105「ろまん燈籠」その五

【冒頭】 次男の病床の口述筆記は、短い割に、多少の飛躍があったようである。けれども、さすがに病床の粥腹(かゆばら)では、日頃、日本のあらゆる現代作家を冷笑している高慢無礼の驕児(きょうじ)も、その特異の才能の片鱗を、ちらと見せただけで、思案…