記憶の宮殿

僕は、記憶の宮殿を自由に旅する。太宰治がソウルフレンド。

2019-06-25から1日間の記事一覧

【日刊 太宰治全小説】#176「裸川」(『新釈諸国噺』)

【冒頭】 鎌倉山の秋の夕ぐれをいそぎ、青砥左衛門尉藤綱、駒をあゆませて滑川(なめりがわ)を渡り、川の真中に於いて、いささか用の事ありて腰の火打袋を取出し、袋の口をあけた途端に袋の中の銭十文ばかり、ちゃぼりと川浪にこぼれ落ちた。 【結句】 「下…