記憶の宮殿

僕は、記憶の宮殿を自由に旅する。太宰治がソウルフレンド。

2019-07-13から1日間の記事一覧

【日刊 太宰治全小説】#194「カチカチ山」(『お伽草紙』)

【冒頭】 カチカチ山の物語に於ける兎は少女、そうしてあの惨めな敗北を喫する狸は、その兎の少女を恋している醜男(ぶおとこ)。これはもう疑いを容れぬ儼然(げんぜん)たる事実のように私には思われる。これは甲州、富士五湖の一つの河口湖畔、いまの船津…