記憶の宮殿

僕は、記憶の宮殿を自由に旅する。太宰治がソウルフレンド。

森鷗外

【週刊 太宰治のエッセイ】わが愛好する言葉

◆「わが愛好する言葉」 太宰の“名言”として有名な「生れて、すみません。」誕生の舞台裏を紹介! 毎週月曜朝6時更新。太宰治の全エッセイ全163作品を執筆順に紹介します。

【週刊 太宰治のエッセイ】古典龍頭蛇尾

◆「古典龍頭蛇尾」 毎週月曜朝6時更新。太宰治の全エッセイ全163作品を執筆順に紹介します。

【週刊 太宰治のエッセイ】もの思う葦(その二)②

◆『もの思う葦(そのニ)』② 「感謝の文学」 「審判」 「無間奈落」 「余談」 毎週月曜朝6時更新。太宰治の全エッセイ全163作品を執筆順に紹介します。

【日めくり太宰治】7月18日

7月18日の太宰治。 1948年(昭和23年)7月18日。 太宰治 39歳。 三鷹町下連雀二百九十六番地、黄檗宗(おうばくしゅう)霊泉山禅林寺に葬られ、五七日の法要が営まれた。禅林寺に残る過去帳に記された法名は「文綵院大猷治通居士(ぶんさんいんだ…

【日刊 太宰治全小説】#147「花吹雪」

【冒頭】花吹雪という言葉と同時に、思い出すのは勿来(なこそ)の関である。 【結句】祈念。 「花吹雪(はなふぶき)」について ・新潮文庫『津軽通信』所収。・昭和18年5月から6月上旬頃までに脱稿。・昭和18年『改造』七月号に掲載予定で執筆し送稿した…

【日刊 太宰治全小説】#83「女の決闘」第六

【冒頭】いよいよ、今回で終りであります。一回、十五、六枚ずつにて半箇年間、つまらぬ事ばかり書いて来たような気が致します。私にとっては、その間に様々の思い出もあり、また自身の体験としての感懐も、あらわにそれと読者に気づかれ無いように、こっそ…

【日刊 太宰治全小説】#82「女の決闘」第五

【冒頭】決闘の次第は、前回に於いて述べ尽しました。けれども物語は、それで終っているのではありません。 【結句】次回に於いて、すべてを述べます。 「女(おんな)の決闘(けっとう) 第五」について ・新潮文庫『新ハムレット』所収。・昭和15年2月下旬…

【日刊 太宰治全小説】#81「女の決闘」第四

【冒頭】決闘の勝敗の次第をお知らせする前に、この女ふたりが拳銃を構えて対峙した可憐陰惨、また奇妙でもある光景を、白樺の幹の蔭にうずくまって見ている、れいの下等の芸術家の心懐に就いて考えてみたいと思います。 【結句】女房は真っ直ぐに村役場に這…

【日刊 太宰治全小説】#80「女の決闘」第三

【冒頭】女学生は一こと言ってみたかった。「私はあの人を愛していない。あなたはほんとに愛しているの。」それだけ言ってみたかった。 【結句】人は俗世の借金で自殺することもあれば、また概念の無形の恐怖から自殺することだってあるのです。決闘の次第は…

【日刊 太宰治全小説】#79「女の決闘」第二

【冒頭】前回は、「その下に書いた苗字を読める位に消してある。」というところ迄でした。その一句に、匂わせて在る心理の微妙を、私は、くどくどと説明したくないのですが、読者は各々勝手に味わい楽しむがよかろう。なかなか、ここは、いいところなのであ…

【日刊 太宰治全小説】#78「女の決闘」第一

【冒頭】一回十五枚ずつで、六回だけ、私がやってみることにします。こんなのは、どうだろうかと思っている。たとえば、ここに、鷗外の全集があります。 【結句】この文句の次に、出会う筈の場所が明細に書いてある。名前はコンスタンチェとして、その下に書…

【日刊 太宰治全小説】#75「誰も知らぬ」

【冒頭】誰も知ってはいないのですが、――と四十一歳の安井夫人は少し笑って物語る。――可笑(おか)しなことがございました。私が二十三歳の春のことでありますから、もう、かれこれ二十年も昔の話でございます。 【結句】あなたには、おわかりでしょうか。まる…

【日刊 太宰治全小説】#16「彼は昔の彼ならず」(『晩年』)

【冒頭】君にこの生活を教えよう。知りたいとならば、僕の家のものほし場まで来るとよい。其処(そこ)でこっそり教えてあげよう。 【結句】それなら君に聞こうよ。空を見あげたり肩をゆすったりうなだれたり木の葉をちぎりとったりしながらのろのろさまよい歩…