記憶の宮殿

僕は、記憶の宮殿を自由に旅する。太宰治がソウルフレンド。

2019-01-25から1日間の記事一覧

【日刊 太宰治全小説】#号外『晩年』について

昭和11年(1936年)6月25日、太宰が27歳の時に、砂子屋書房から出版した処女作品集『晩年』。 口絵写真一葉。初版500部。菊判フランス装。241頁。定価2円。 そこに収められた15編(全25回)が【日刊 太宰治全小説】で全て公開になりました。1編1編、様々な趣…

【日刊 太宰治全小説】#25「めくら草紙」(『晩年』)

【冒頭】太古のすがた、そのままの蒼空(あおぞら)。みんなも、この蒼空にだまされぬがいい。これほど人間に酷薄(こくはく)なすがたがないのだ。おまえは、私に一箇の銅貨をさえ与えたことがなかった。おれは死ぬるともおまえを拝(おが)まぬ。 【結句】いま読…