記憶の宮殿

僕は、記憶の宮殿を自由に旅する。太宰治がソウルフレンド。

2019-03-27から1日間の記事一覧

【日刊 太宰治全小説】#86「失敗園」

【冒頭】(わが陋屋(ろうおく)には、六坪ほどの庭があるのだ。愚妻は、ここに、秩序も無く何やらかやら一ぱい植えたが、一見するに、すべて失敗の様子である。それら恥ずかしき身なりの植物たちが小声で囁き、私はそれを速記する。その声が、事実、聞えるの…