記憶の宮殿

僕は、記憶の宮殿を自由に旅する。太宰治がソウルフレンド。

2019-01-18から1日間の記事一覧

【日刊 太宰治全小説】#18「ロマネスク」喧嘩次郎兵衛(『晩年』)

【冒頭】むかし東海道三島の宿に、鹿間屋逸平という男がいた。曾祖父(そうそふ)の代より酒の醸造をもって業(なりわい)としていた。酒はその醸造主のひとがらを映すものと言われている。鹿間屋の酒はあくまでも澄み、しかもなかなかに辛口であった。酒の名は…