記憶の宮殿

僕は、記憶の宮殿を自由に旅する。太宰治がソウルフレンド。

2019-04-04から1日間の記事一覧

【日刊 太宰治全小説】#94「乞食学生」第五回

【冒頭】 私は暫く何も、ものが言えなかった。裏切られ、ばかにされている事を知った刹那の、あの、つんのめされるような苦い墜落の味を御馳走されて気持で、食堂の隅の椅子に、どかりと坐った。私と向い合って、熊本君も坐った。やや後れて少年佐伯が食堂の…