記憶の宮殿

僕は、記憶の宮殿を自由に旅する。太宰治がソウルフレンド。

2019-09-16から1日間の記事一覧

【日刊 太宰治全小説】#259「人間失格」第二の手記

【冒頭】海の、波打際、といってもいいくらいに海にちかい岸辺に、真黒い樹肌の山桜の、かなり大きいのが二十本以上も立ちならび、新学年がはじまると、山桜は、褐色の粘っこいような嫩葉(わかば)と共に、青い海を背景にして、その絢爛(けんらん)たる花をひ…