記憶の宮殿

僕は、記憶の宮殿を、自由に旅する。太宰治が、ソウルフレンド。

虚構の彷徨

【日めくり太宰治】9月6日

9月6日の太宰治。 1936年(昭和11年)9月6日。 太宰治 27歳。 九月(日付不詳)に、井伏鱒二に手紙を送る。 第2創作集の出版を急ぐ太宰 今日は、1936年(昭和11年)9月に、太宰が師匠・井伏鱒二(いぶせますじ )に宛てて書いた手紙を紹介…

【日めくり太宰治】8月7日

8月7日の太宰治。 1938年(昭和13年)8月7日。 太宰治 29歳。 青森駅前通りの成田本店で、母くらから聞いた人の著書『虚構の彷徨、ダス・ゲマイネ』を発見して購い、連絡船の中で読んだという。 著作をめぐる2人の女性の物語 今日は、太宰を取…

【日めくり太宰治】7月6日

7月6日の太宰治。 1936年(昭和11年)7月6日。 太宰治 27歳。 七月六日付で、井伏鱒二に手紙を送る。 井伏の叱責と、太宰の言い訳 今日は、太宰が、1936年(昭和11年)7月6日付で、師匠・井伏鱒二に送った手紙を紹介します。 太宰は、同…

【日刊 太宰治全小説】#号外 『虚構の彷徨 ダス・ゲマイネ』について

昭和12年(1936年)6月1日。新潮社から「新選純文学叢書」の一冊として、太宰2冊目の作品集『虚構の彷徨 ダス・ゲマイネ』が刊行されました。 処女作品集『晩年』の刊行から約1年後。パビナール中毒による東京武蔵野病院への入院や最初の妻・初代さんとの心…

【日刊 太宰治全小説】#31「虚構の春」下旬・元旦

【冒頭】 月日。 「突然のおたよりお許し下さい。私は、あなたと瓜二つだ。いや、私とあなた、この二人のみに非ず。青年の没個性、自己喪失は、いまの世紀の特徴と見受けられます。 【結句】 「謹賀新年。」「頌春。」「賀春。」「頌春献寿。」 「虚構の春 …

【日刊 太宰治全小説】#30「虚構の春」中旬

【冒頭】 月日。 「拝呈。過刻は失礼。『道化の華』早速一読甚だおもしろく存じ候。無論及第点をつけ申し候。 【結句】 良薬の苦味、おゆるし下さい。おそらくは貴方を理解できる唯一人の四十男、無二の小市民、高橋九拝。太宰治学兄。」 「虚構の春 中旬」…

【日刊 太宰治全小説】#29「虚構の春」師走上旬

【冒頭】月日。 「拝復。お言いつけの原稿用紙五百枚。御入手の趣、小生も安心いたしました。毎度の御引立、あり難く御礼を申しあげます。 【結句】 きょうの君には、それら実相を知らせてあげたい。知ったとたんに、君は、裏の線路に飛び込むだろう。さなく…

【日刊 太宰治全小説】#28「狂言の神」

【冒頭】今は亡(な)き、畏友(いゆう)、笠井(かさい)一(はじめ)について書きしるす。 【結句】 ああ、思いもかけず、このお仕合(しあ)せの結末。私はすかさず、筆を擱(お)く。読者もまた、はればれと微笑(ほほえ)んで、それでも一応は用心して、こっそり小声…

【日刊 太宰治全小説】#10「道化の華」(『晩年』)

【冒頭】「ここを過ぎて悲しみの市(まち)」友はみな、僕からはなれ、かなしき眼もて僕を眺める。友よ、僕と語れ、僕を笑え。ああ、友はむなしく顔をそむける。友よ、僕に問え。僕はなんでも知らせよう。僕はこの手もて、園を水にしずめた。僕は悪魔の傲慢(ご…