記憶の宮殿

僕は、記憶の宮殿を、自由に旅する。太宰治が、ソウルフレンド。

お伽草子

【日刊 太宰治全小説】#195「舌切雀」(『お伽草紙』)

【冒頭】 私はこの「お伽草子」という本を、日本の国難打開のために敢闘している人々の寸暇における慰労のささやかな玩具として恰好のものたらしむべく、このごろ常に微熱を発している不完全のからだながら、命ぜられては奉公の用事に出勤したり、また自分の…

【日刊 太宰治全小説】#194「カチカチ山」(『お伽草紙』)

【冒頭】 カチカチ山の物語に於ける兎は少女、そうしてあの惨めな敗北を喫する狸は、その兎の少女を恋している醜男(ぶおとこ)。これはもう疑いを容れぬ儼然(げんぜん)たる事実のように私には思われる。これは甲州、富士五湖の一つの河口湖畔、いまの船津…

【日刊 太宰治全小説】#193「浦島さん」(『お伽草紙』)

【冒頭】 浦島太郎という人は、丹後の水江とかいうところに実在していたようである。丹後といえば、いまの京都府の北部である。あの北海岸の某寒村に、いまもなお、太郎をまつった神社があるとかいう話を聞いた事がある。私はその辺に行ってみた事が無いけれ…

【日刊 太宰治全小説】#192「瘤取り」(『お伽草紙』)

【冒頭】 このお爺さんは、四国の阿波、剣山のふもとに住んでいたのである。というような気がするだけの事で、別に典拠があるわけではない。 【結句】 性格の悲喜劇というものです。人間生活の底には、いつも、この問題が流れています。 「瘤取り」(『お伽…

【太宰治】対談:著書と資料をめぐって

太宰治が今年で生誕110周年を迎えるのに合わせ、青森県五所川原市、同弘前市、東京都三鷹市、山梨県甲府市など、太宰にゆかりのある地で、様々な催しが行われています。特に6月は、太宰の誕生月であり、玉川上水に投身した太宰の遺体が発見された日でも…